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フランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」がポッと浮かんだので聴いた。

そういえばわたしの友人に、いつどんなときでも頭の中で音楽が流れているという子がいる。寝ている間以外は本当の本当にずっとらしい。そして家系らしいのだ。あまりにゆかいなことなので、会う度に今は何が流れているか聞く。「ジャズが流れてるよ」とリズムを刻んでいておかしかった。

 

昨日100日ぶりにアイシャドウをして100日ぶりに大学へ行ったら、その子だけいなかった。もうほとんど目撃されてないようで、ついに音楽がうるさくなったのかね。ちなみにわたしが行かなくなった一番の原因は、通学バスです。ジャンヌダルクの終わり方は相当なものでしょうが、あそこではわたしがジャンヌダルクだった。おしゃれな服を着て、誰よりも聡明な顔つきをして乗り込んでいても、自分が一番みじめだった。自分以外全員愚かしいと思っていたが、事実はどうであれそのことをひとりで思考し続けることはしんどい。あのバスに乗るより穴があいて沈みかけた船に乗りたい。身動きは当然取れず、できることといえば脳内でコジコジのものまねをするくらい。誰もわたしのこと見抜いてはくれなかった。昨日バスに乗ったら全員知らない人で、たぶん一年生で、びっくりした、静かだった…なんでよ。ジャンヌダルクにしてよ。